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院長の臨床メモcolumn

2016.09.13

赤芽球のアポトーシスとEPO濃度の維持

腎性貧血の薬であるミルセラは月1回のESAですが、月2回投与にするとHbが上昇しやすいという報告があります。

なぜなのか?

赤血球が産生される前に赤芽球というものが骨髄で日々産生されます。

赤芽球の半分は残り、もう半分はアポトーシス(使われない)されます。

もったいない話ですが、、、。

でもいざというときには使ってくれるようです。

腎性貧血の患者さんではEPO濃度が低いので、さらにアポトーシスの割合が多くなります。

ですから、ある程度ESAでEPO濃度を多くしないと、せっかくできた赤血球(幼弱赤血球)もつぶれてしまいます。

ミルセラは長持ちする注射ですが、初めの1週間はEPO濃度を維持し、鉄もどんどん利用し、フェリチンやヘプシジンが低下しますが、1週間後には再上昇してしまいます。

アポトーシスや赤血球の崩壊を抑えるためには、「一定したEPO濃度」が必要です。

そのために、ミルセラの投与間隔を短くし、EPO濃度を保つことによって、Hbが上昇するということになっていきます