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院長の臨床メモcolumn

2016.09.19

高齢者慢性腎臓病の蛋白制限食

腎臓病が進行すると蛋白制限食が推奨されています。

しかし、蛋白制限食すると、必ずしも腎機能の進行が抑制できるわけでもありません。

高齢者慢性腎臓病患者さんの場合特に蛋白制限をすると弱るのでは?

高齢者では徐々に筋肉量が少なくなり、特には脂肪量が低く、BMIも低くなります。

低体重や低栄養により筋肉量が減少するサルコぺニアは最近新聞等でもよく目にします。

慢性腎臓病の患者さんでは蛋白制限食をするとサルコぺニアの発生、助長する可能性があると思います。

もし、蛋白制限食を守って、腎機能障害の進行を抑制しすれば価値はありますが、海外のデータでは厳格な蛋白制限食は腎機能の予後に関係なく、死亡率が高くなるという報告もあります。

たしかに慢性腎臓病4.5では特に塩分制限を勧められていますが、高齢者には厳格な減塩は食欲不振が進行し、衰弱につながるので、緩和されています。

ただ、高齢者といってもひとくくりにはできず、年齢より若い方もいればそうでない方もいらっしゃいます。

高齢者慢性腎臓病=蛋白制限してはいけない

のではなくて、フレイル、サルコぺニアなど弱っている高齢腎臓病患者さんに対してはまず栄養を付け、蛋白制限食は積極的にはしないという感じで考えています。