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院長の臨床メモcolumn

2011.07.09

新しい糖尿病のお薬

昨年に糖尿病の新しい内服薬と注射薬が発売になりました。

注射薬はGLP-1アナログ製剤といって、このGLP-1というホルモンは消化管から出ていて、膵臓のインスリンの分泌を良くしたり、胃から食物が排出されるのを抑えることによって食欲が低下する作用があります。

現在注射薬は2社から発売されています。
ビクトーザは1日1回、バイエッタは1日2回打ちとなっており、いずれも自分で注射します。

新規糖尿病薬剤として期待されますがバイエッタに関しては残念ながら添付文書で透析患者さんは禁忌となっています。
ビクトーザに関しては禁忌事項に入っていませんが、腎機能患者さんの使用経験がなく慎重投与となっております。私もまだ経験はありませんが、禁忌となっていない以上、今後使用経験が報告されると思います。

内服薬はDPP-4阻害剤といって先程の消化管ホルモンを分解せずに効果を長引かせてくれる薬剤です。
DPP-4というものがあると早くGLP-1といういいホルモンがなくなってしまいます。薬はそのDPP-4を働かないようにしてくれます。

現在このDPP-4阻害薬は4社から発売されております。
ネシーナ、エクア、ジャヌビア、グラクティブという4つの薬があります。

透析患者さんが内服できるのはネシーナとエクアの2つのみです。
ジャヌビアとエクアは添付文書で透析患者さんは禁忌となっています。

私はネシーナを減量して使用しておりますが低血糖発作は認めず、安心して使用できる印象をもっています。また、HbA1cも1-1.5%程度、短期的にみると低下しております。

糖尿病の場合、長期的に安定するかどうかが問題となりますがGLP-1アナログにしろ、DPP-4阻害薬にしろ今後透析患者さんでの使用経験が報告され、血糖管理にとって有用な薬剤として確立されれば嬉しいと思います。