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院長の臨床メモcolumn

2011.07.08

カーボスター透析液【2】

カーボスターと透析中の血圧などについて考えてみたいと思います。

カーボスターは酢酸がないっていない無酢酸透析液です。
それでは酢酸は血圧などにどのような影響を与えているのでしょうか?

現在の酢酸が含まれている透析液では透析前は酢酸濃度は正常ですが、透析後には大半の方が正常より酢酸濃度が上昇しています。

つまり3-4時間透析の中で体内の透析濃度が急激に上昇しているということになります。

酢酸は血管を拡張させる作用や心臓の収縮機能を低下させる可能性があるといわれております。
酢酸=血圧が下がるというわけではありません。
ただ血圧が低下する一つの可能性はあると思います。

色んな報告を見ているとカーボスターを使って透析中の血圧が安定したという報告もあれば、酢酸の入っているこれまでの透析液と変わりなかったという報告もあります。

しかしカーボスターが発売されて4年、新発売されて注目されているところもありますが血圧の低下がましになったり、心拍数の低下がましになったりするなど良好な結果が多数報告されております。

血圧が下がる要因として血管の中の血液量が低下したり、自律神経障害が原因になったりします。
カーボスターでは血管内の血液量を保つ作用【血管をへしゃげるのを抑える】や自律神経障害の影響を軽減させる作用について報告がされています。

透析中に血圧を調整するのは心臓の拍出する力、血液内容量、血管を収縮させる力が重要になります。

それらがすべて整ってこそ透析中の血圧を安定させることができます。
それは簡単な話ではなく本当に難しい問題です。
カーボスター透析液は透析中の血圧を調整してくれる一助になっていると考えます。