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院長の臨床メモcolumn

2016.05.17

定期検査での総腸骨動脈瘤の指摘

年に1回のCTで「総腸骨動脈瘤」が指摘された方がいらっしゃいます。

腹部大動脈瘤は聞いたことがあると思いますが、総腸骨動脈瘤はあまり聞いたことがないと思います。

総腸骨動脈は腹部大動脈から足に分かれた分岐部から始まり、足の太ももなどに分かれていく間の動脈です。

短い長さの動脈ですが、それだけに負担がかかることがあります。

頻度としては腹部大動脈瘤の6-8%しかありません。

しかし、破裂する頻度は5-6倍と腹部大動脈瘤より高いといわれています。

原因は動脈硬化で起こりますが、3㎝あった時はきちんと造影検査で調べて手術をしたほうがいいといわれています。

基本的にはグラフト手術ですが、最近ではステント治療もされているところがあるようです。

総腸骨動脈瘤は少ない疾患ですが、腎臓病患者さんや透析患者さんでは動脈硬化が起こりやすく、全腹部CTで観察されることがあり、3㎝以上あるときは、精密検査が必要と考えます。