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院長の臨床メモcolumn

2016.05.19

加古川腎臓研究会

今週火曜日に腎臓病研究会が加古川で開かれました。

加古川東市民病院腎臓内科の中井先生と神戸大学附属病院の西教授が講演をされました。

腎臓病と心血管病や腎性貧血を中心に話をしていただきましたが、非常にわかりやすく、いろんな論文報告を持ち話をしていただきました。

西教授は2015年度の腎性貧血ガイドラインの改訂のポイントについても話をされました。

今回、腎性貧血の改定のポイントは1つがあるこれまで鉄剤やエリスロポエチン製剤を使っていなかった貧血を患者に対してまずフェリチンをチェックするという点です。

西教授は慢性腎臓病や透析の患者の場合は慢性炎症状態なのでフェリチンは通常、若い女性にある鉄欠乏性貧血の診断基準であるのフェリチン12なのではなく5、「50未満」という結論になったということです。

私はずっとなんで「50未満」になったんだろうと不思議に思っていました。

その根拠としては同じ慢性炎症性疾患であるリウマチ患者さんでの検討で、おおよそフェリチン50未満で鉄欠乏してる状態と言う論文が多かったのでその上の根拠からガイドライン上「50未満」を貧血治療をされていない患者さんの鉄剤投与基準と決定されたようです。

ただ、もともとエリスロポエチン製剤を使ってるような患者さんはあくまで今まで通り「フェリチン100未満」(+TSAT20%未満)で鉄剤を開始するという基準は変わっていません。

非常に勉強になる研究会でした。

それにしてもたくさんの先生方が参加され、驚きました。