(概要)
-尿酸を下げる薬には①尿酸の産生を抑制する薬、②尿酸を排泄させる薬がある。
-ユリスは②の尿酸排泄促進剤である。
-これまでユリノームなどの尿酸排泄促進剤が使用されていた。
-尿酸は腎臓の近位尿細管のURAT-1で再吸収される。他にも同じく腎臓から再吸収ではなく、分泌するOAT1,3というトランスポーターがある。
-腸管にはABCG-2という分泌するトランスポーターがある。
-ユリスはURT-1トランスポーターと選択的に阻害し、尿酸排泄を促進させる。
-尿酸値の目標値は6未満であり、ユリスの通常量である2㎎では約75%、最高用量の4mgでは100%の症例で目標を達成できている。
(感想と印象)
-ユリノームと異なり、しっかりと最終週のキートランスポーターを阻害し、分泌系には影響がないので、尿酸排泄作用は強いと考える。
-肝障害の副作用報告も少ない印象がある。
-CKDステージ4以降の腎障害に効果がないのはこれまでの尿酸排泄薬と同様である。
-尿酸低下作用は強いと思われるが、尿酸結石がある症例では注意を要する。
-XOR阻害薬でも尿酸値が十分低下する症例が多い中、ユリスをどのようなに使用していくかが課題である。
-XOR阻害薬が第一選択のことが多いが、肝障害が発生することがあり、副作用が出現、効果が不十分な症例、尿酸排泄障害の症例に使用してもよいかもしれない。