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院長の臨床メモcolumn

2021.07.11

カルニチンの発表

先日、カルニチンの社会研修会を行った

 

まずカルニチンとは

①ミトコンドリアに脂肪酸を運ぶ

②細胞毒のアシル化合物を除去する

③エネルギー代謝を促進させる

④赤血球膜を安定化させる

⑤抗炎症作用を有する

カルニチンは食事が75%、体内での生合成は25%

生合成は脳、肝臓、腎臓で行われ、生合成にはアミノ酸であるリジンとメチオニンが利用される。

透析では食事摂取の制限や透析での除去からカルニチン欠乏症が生じやすい。

症状は

ミトコンドリア代謝異常が生じやすいことから倦怠感、筋痙攣が生じやすく、脂肪酸代謝異常も認めることから心筋障害などから心不全も生じやすい。

 

診断は上記の症状+遊離カルニチン(血液検査)の低下。

薬剤は、エルカルニチン(内服、注射など)

投与後30日後には筋症状は軽減するといわれている。

それよりも長い経過で約半年間かけて、心筋障害や貧血などへの効果も発揮するといわれている。

 

透析では、筋痙攣や心不全が生じやすく、また、貧血も生じやすいことから、エルカルニチンの有用性は高いと思われる。