70歳代男性の透析患者さんがいます。
便秘があり、ダイオウという漢方薬で下剤の信者でした。
大黄は何とも言えずにがく飲みづらいのですが、その患者さんからすると飲みづらくても良く効くので「大黄がかわいく思えてくる」ようです。
しかし今回、その大黄が変に効きすぎたようです。
変に効きすぎたというのは下痢をしたのではなく、「いいたい気になるんだけど、便ではなく汁のようなものしか出ない」という状態でした。
大同は腸を刺激して便を排出させますが、ときに刺激が強くてこの方のように大腸の汁だけが出てしまって、肝心の便が出ないということがあります。
そこで選択したのはツムラ潤腸湯(51番)。
高齢者、この高もそうですが、コロコロ便ことが多く、あと体質として皮膚の乾燥、唇かさかさという血虚の状態です。
このような方は腸の分泌液が低下していてコロコロ便になりやすいと言われています。
ですので血虚の方には潤腸湯のほうがよく効くと考え処方しました。
すっきりよく出たと喜んでおられました。
大黄の時は刺激性があるので「出そう」という感じは強いようですが、実際は「ちょろちょろ」としかでません。
しかしツムラ潤腸湯は「出そう」という感じは少ないですが、「しっかり」と出るようです。
潤腸湯は腸の全道を高めつつ、腸を潤滑にさせる薬剤で、変に刺激性が強くないので下剤によるキリキリした腹痛もほとんどありません。
ちなみにツムラ潤腸湯にも大黄は入っていますのであしからず。