院長の臨床メモcolumn

武田薬品から来年早々に発売されるEPA+DHA製剤があります。

この薬の目的は中性脂肪を下げるようです。

中性脂肪はトリグリセライド（TG)といいます。

これを低くしたいということでロー（LOW)トリグリセライド。
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そのロー+トリグ…から取って、商品名を「ロトリガー」にしたようです。

DHA+EPAということもあって医薬品というよりサプリメントではという意見も出そうですが、治験もクリアされており、中性脂肪を下げる効果も優れているという点もあり承認されたようです。

肝心の中性脂肪を下げる効果ですが。・・・

1日1回内服の場合約11%低下。

1日2回の場合、約23%低下します。

エパデールというEPA製剤に比べると1日1回の場合で同等です。

1日2回ロトリガを内服するとエパデールよりは効果が上回ります。

中性脂肪を多く含むVLDLという物質は動脈硬化を進展させる原因となります。

この進展させる主要な物質にスモールデンスLDLがあります。

スモールデンスLDLは通常サイズのLDLと違って長く血の中に存在します。

（スモールデンスLDL2日間、通常LDL5日間）

ですからその分動脈硬化を進展していきます。

臨床報告ではそこまでLDL値は下がりませんが、実際体内ではスモールデンスLDLが減少することから目には見えない効果が表れているのだと思います。

糖尿病の方、脂質をよく摂取される方はこの中性脂肪が多いVLDLが多く分泌されるので、体内でVLDLが悪さをして、悪玉であるスモールデンスLDLが産生され、動脈硬化を進めやすくなっています。

このロトリガはスモールデンスLDLを減少させる作用もあります。

その結果、善玉コレステロール（HDL)を上昇させます。

以上が新しい薬剤DHA+EPA製剤のご紹介です。