胃潰瘍や胃がんなど特に明らかな病気が胃カメラではないのに胃の調子が悪いっていうことありませんか?
胃カメラをしていると何らかの症状があって検査をするんでしょうけど、ほとんどの方は胃潰瘍や癌など大きな病気がありません。
この特に明らかな「モノ」がないのに様々な消化器症状を訴える病態を「機能性胃腸症(FD)」といいます。
このFDは大きく2つに分かれます。
①食後愁訴症候群⇒⇒⇒食後のもたれとすぐにお腹にいっぱいになってしまう感じになる。
②胃の痛みや熱くなる感じ
原因は胃の運動が悪かったり、知覚過敏、ストレスなどが複雑に絡み合っている可能性があります。
ピロリ菌も関係しているとも推察されています。
このような方にツムラ六君子湯が有効です。
糖尿病性腎症で血液透析された方々の研究です。
FDと診断されて、オメプラールを半年以上内服されていました。
症状が全く改善しない方々に六君子湯を開始したところ。。。
ほとんどのかたがFDの症状が取れ、さらに他の腹痛や胃酸の逆流、下痢も軽減したようです。
六君子湯はエビエンスレベルの非常に高い漢方で有名です。
胃粘膜保護作用と胃の排出作用があり、さらにグレリンという食欲増進ホルモンを分泌させる作用もあります。
上記の症状の全ての方に六君子湯が有効というわけではありません。
他の随伴症状や体質、体格によって使うエキスは変わります。
しかしFDで食後愁訴症候群の場合は「ツムラ六君子湯」を漢方薬の一番手と考えていいと思います。