一般的には血液検査で栄養の指標はアルブミン、LDLコレステロール、コリンエステラーゼが多く用いられます。
透析患者さんの場合、良くする血液検査としては圧倒的にアルブミンが多いと思います。
そういう意味ではアルブミンが栄養指標のゴールデンスタンダードと言えます。
しかし、透析医療においてアルブミンだけで栄養評価をするのはやや困難な時があるといわれています。
アルブミンを評価するのは一般的に透析の前ですので、透析の前は水分で希釈されています。
透析後は透析で水分が除去されるので血清アルブミン濃度はかなり上昇していると思います。
ですから体重増加が多い方は血液が薄まってアルブミンが見掛け上低い可能性があります。
他に重要なのはクレアチニンだと思います。
クレアチニン産生速度という栄養指標があります。
これが高いと栄養状態がいいということも言えます。
他にもPCRやコリンエステラーゼもありますし、透析でどれだけ除去できているかも重要ですのでkT/Vや尿素除去率も重要です。
栄養評価は一律ではありませんのでいろんな考えがあります。
栄養評価は一つの項目だけでは判断できません。
透析スタッフと患者さんの両方が栄養の指標となるマーカーをクリニックオリジナルで決めてもいいと思います。
その方が患者さんもスタッフも実感します。
血液データのBUN、Crという単独の値ではなくて、BUNやCrを栄養の指標を計算するための材料としてとらえれる。
BUNやCrの単独の数値で判断するという頭を切り替えて、除去率やクレアチニン産生速度などの栄養指標を示した方がいいと思います。