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院長の臨床メモcolumn

2011.07.14

夏場の血圧低下

最近、暑くなってきて血圧が低下してくる患者さんをよく見かけます。

もちろん全員ではありませんが、この時期は血圧が安定することが多いです。

原因としては末梢の血管が拡張していることが一番に考えられます。

ただ、その結果透析の除水後に血圧低下し、立ちくらみを認める患者さんが出てきました。

もともと暑さで血管が拡張しているところに除水によって血管内の水が急速に出ていく結果、血圧が下がってしないのです。そうなるとどうしても透析後に立ちくらみが出現し、翌朝まで血圧が低かったり、しんどかったりします。

透析時間を延長して時間当たりの除水量を減らすことができれば解決されるかもしれませんが、そうはいきません。また夏場ということもあり決して透析間の体重増加が少ないわけでもありません。

かといって放置するわけにもいきません。立ちくらみになると転倒や意識消失することがあるのですから。

最近、そういう方には水分制限を頑張る以外に一時的にドプスという立ちくらみのお薬を処方しております。

体内で血圧を上げるノルアドレナリンという物質をドプスが増やしてくれます。おおよそ、約3時間でピークに達し、6-36時間と長時間聞くお薬です。ですから透析の前に飲む必要があります。

ドプスは簡単に処方するお薬ではなく、あくまで透析後の立ちくらみによる転倒やけがを予防するために処方しています。

できればこのような血圧を上げる薬に頼らず、透析後も安定、安心感を持てる生活に戻って頂くよう患者さんと協力していきたいと思います。