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院長の臨床メモcolumn

2011.07.15

ドライウェイト【1】

ドライウェイトってどういう意味だと思われますか?

定義としては
①体内に過剰な水分(むくみなど)がない状態の体重
②透析でこれ以上体内の水分を除水すると血圧低下をきたす体重
・・・とされています。

①は見てわかるので理解しやすいですよね。
②はなかなか難しいですね。血圧が低下するぎりぎりのところで除水を止めるということになり、その体重がDWになるということです。

ここでむずかしいのが降圧剤と体重増加量の関与です。
血圧の薬を飲んでいるとどうしても透析中に血圧が下がる可能性があります。
体重増加が多いと、どうしても透析中の除水量が多くなり血圧が下がりやすくなります。

カナダの学会では降圧剤なしで血圧が下がらない程度の体重とされています。

降圧剤なしでというのは定義上わかりますが降圧剤を内服されている患者さんが多いですのでどうしても”なし”といわれても、実際は”内服あり”ですので”なし”にはできないですよね。

もし降圧剤をすべてやめてしまったら…透析中の血圧も、自宅での血圧も下がってしまいます。
血圧が200以上とか自宅でなったら焦りますよね。
ですから降圧剤の内服変更はできても、なかなか”なし”にはしにくいものです。

もし、透析間の体重増加が少なかったら(入院中など)・・・もともと4L引いていて、血圧が下がる人が1Lしか引かなかったらたぶん血圧が下がりません。
入院したら透析が安定するってよく経験されると思います。あれは入院すると食事が制限され、体重増加が少なくなるため血圧が安定するのです。

ですから同じ患者さんで同じDWでも除水量の多い、少ないで血圧って結構変わってくるんですよね。
要は透析の間の引くスピードと量で血圧は変わる可能性があります。

言葉で定義するのは非常に簡単ですがDWは本当に奥深いものです。