透析患者さんにとってシャントは命綱です。
シャントの管理は慎重に丁寧にしなければなりません。
今回、脱血不良になった患者さんは腕の静脈がとても目立っている方です。
目立って、良く浮いてきている血管とするといいことだとは思うのですが、透析で必要なメインの血管がない状態なのです。
血液の流れの豊富なメインの血管は脱血も良好です、透析効率も良好になります。
しかしいくら血管が多いからといって、メインの血管の流れがよくなければいいシャントとは言えません。
メインの血管への血液が他にどんどん取られていっている状態なのです。
これらの血管を側副血行路といいます。
原因としてはある時期に知らない間にメインの血管が閉塞してしまっていて、その詰まってしまった血液の流れを補充するように細い血管がにょろにょろと生えていくことが原因です。
この患者さんは細いにょろにょろとした血管がすごく発達して、しかも太くなってしまったためにメインの血管の血流が不足するようになりました。
治療か?
一番太い側副血行路を縛ってしまったら、逃げ場がなくなってメインの血管に流れるという理屈になります。
側副血行路が少ない場合は一本太い血管を縛ってしまえば、メインの血流が良くなり、シャントは復活します。
しかし今回の方のように血管が多い方の場合はどこを縛っていいのかわかりません。
太い側副血行路をおさえながら、エコーを見て、メインの血流が回復するかどうかを流速波形を見ながら頑張ってみたのですが、どこの血管を縛るべきか、その適切な血管を見つけることができませんでした。
困った時の、シャントゴッドハンドです。
相談したところ、やはり縛るだけでは解決しないこともあるようで、もう一度シャントを作り直さなければならないこともあるということでした。
ということで一度患者さんに受診して頂くようにしました。
シャントについてよくわかるホームページを書かれています。