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院長の臨床メモcolumn

2012.01.12

オンラインHDFの有効性

平成22年度からオンラインHDFが一部保険適応になりました。

ただ、透析困難症という病名のもとで実施可能ですので全員するわけにはいきません。

兵庫県では噂にすぎませんが、ベッド数の約10%といわれています。

となると当院ではHDF専用機3台になります。

まあ採用台数としては妥当なところでしょうか?

透析困難症、特に透析中の低血圧に対してオンラインHDFを選択しています。

僕にとってまだまだ経験の少ないオンラインHDFですが色んないい報告がされています。

①透析アミロイドーシスの進行抑制、症状抑制

②栄養状態の改善

③貧血の改善

④血圧低下の改善

⑤心胸比の縮小 などなど。

特に患者さんの生命予後を上げているという点では特筆すべき点であろうかと思います。

実際、体験して思うことは②と⑤は印象として強くあります。

期待している④はそれ程ではありません。

血圧低下に関しては除水スピードやドライウェイトなど様々な要因が重なります。

患者さんにいい透析を提供しようとするとオンラインHDFは生命予後を上げ、栄養状態を上げ、心臓の状態を整えてくれることからすると皆さんに提供すべき治療かもしれません。

しかし認められたのはごく一部の透析困難症の患者さんだけです。

実際、当院でもオンラインHDF患者の使用透析液量に関して診療報酬上査定されています。

特別オンラインHDFの透析液量と濾過量は多いわけではありませんが、オンラインHDFの制限はまだまだ強いという印象を受けます。

長時間透析とオンラインHDFはセットで行うことが理想ですが、長時間とオンラインどっちがいい?という問題でもありません。

しかし上記のような事情からは透析時間の延長を選択するしかないのでしょうね。