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院長の臨床メモcolumn

2012.01.10

高性能膜なのに血液流量不十分

透析膜の材質はセルロース膜から合成高分子膜へと、溶質除去や生体適合性の向上を目標に進歩してきています。

透析膜の選択は身体に合っているかどうかという選択は当たり前すぎますが、患者さんの年齢、栄養状態、合併症、透析中の状態、固まりやすさなどを指標に総合的に評価し選択しています。

透析効率が良いに越したことはありませんが、患者さんが安楽に、安全に透析を受けることが最も重要です。

それが最低条件であり、そこから透析効率など物質除去を考えるべきです。

血圧が安定してこそ、患者さんは安楽に過ごすことができ、体内の尿毒素も細胞レベルで除去できます。

透析効率を上げるには透析時間を延長することが最も有効であることは間違いないでしょう。

しかし時間延長ができない場合は透析膜を変更することもあります。

1.5m2→1.9m2に膜面積を上げるなど。

しかし血液流量がそのままなのに膜面積を上げてもなかなか有効と言えません。

現在の高性能膜は血液流量によりさらに効果が期待できる設計となっています。

ある文献では低効率透析膜と高効率透析膜と比較し、

低効率膜:血液流量250と450と比べて+18%効率上昇

高効率膜:血液流量250と450と比べて+32%効率上昇

と報告されています。

ですから高効率膜にするのであれば血液流量を増加しなければいけません。

かといって、シャントが・・ということが多いともいます。

ですから

まず、透析膜面積=患者さんの体表面積÷(0.8‐1.2)ですので

これを計算して可能な範囲で膜面積を上げる。

それ以上の膜面積アップはしない。

その結果、効率が不十分であった場合、患者さんに説明し、時間を延長するしかない旨を伝える。

血液流量そのままで透析膜の面積を上げることは一時しのぎであり、患者さんの体の大きさと血液流量を考えながら調整しなければなりません。