(概要)
・インフルエンザの鼻腔検査を行うには完全な感染予防着が必要である。
・完全な予防着とは、N95マスク、ガウン、手袋、フェイスシールドがそろっていることである。
・インフルエンザ専用外来はなく、通常の生活習慣病などの患者さんと同じ時間帯で診察するため、ずっと感染予防着を着ているわけにはいかず、脱着が必要である。
・脱着の時間、脱着時の感染のリスク、予防着のストックの問題がある。
・現状のままだと、通常のクリニックでは、インフルエンザ検査ができない可能性がある。
(感想と印象)
・完全予防着が必要であるという理由は、それを着ないと、コロナであった場合、医師自身にも感染するリスクが高くなるということである。
・感染予防をせずに検査を行い、さらにその患者がコロナ感染陽性と判明した場合、医師は濃厚接触者となり、自宅隔離となる。
・アメリカのオーガスタ大学が作成した、インフルエンザ予測スコアがある。
・同スコアは、
- 48時間未満の急性発症
- 筋肉痛
- 悪寒,戦慄
- 発熱と咳
を1-2点ずつスコア化するものである。また、非流行期、中間期、流行期に感染状況に応じて感染リスクが変わるため、時期と上記のスコアから、検査や治療不要、検査が必要、治療が必要という流れになっている。
・スコアは6点満点であり、中間期の4-6点と流行期の3点では迅速検査、流行期の4点以上では治療となっている。
・以上から、検査をせずに、スコア通りの方針で行くのであれば、流行期に①-④のうち4点以上で,検査をせずに、インフルエンザの薬を処方するということになる。ただ、検査をしないリスクもあるため、総合的判断にはなるが、3点以上でも治療が必要ではないかと推察している。