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院長の臨床メモcolumn

2011.12.24

3時間透析の人がうらやましい

透析間の体重増加が多く、本人、スタッフ共々なやんでいる4時間透析の女性がいます。

時間を延ばしたくない、食事管理目的に入院はイヤということで水分制限を頑張るよう言ってきました。

それでもその次の時にはやはり体重増加が多いという繰り返しです。

今日お話をしました。

現状の透析の状態では4時間はつらく、延長は必須であることを伝えました。

「透析時間は長ければ長いほどいいんですよ。透析のための拘束時間は長くなりますが身体にはいいんですよ」と。

すると

「3時間で早く透析が終われるのはうらやましい。」

時間を延ばさせると余計につらくなり、食事さえしっかり押さえていれば3時間に戻れるとも思っているのでしょう。

しかし、それは大きな誤解です。

透析時間はやはり一番の身体を整えてくれる治療法であることは間違いありません。

「うらやましいというのは早く終わるということであって、実際体のことを考えると全く逆なんですよ。」というと納得され時間延長をしていこうという気になられました。

「身体にとっていいのならやってみてもいいかなあ」というところでしょう。

やはり患者さんからすると正直なところ時間が短く、早く帰って好きなことをしたいという思いがあります。

そういう思いを作ってしまったのは私の責任でしょう。

透析時間が体にとっていいということを熱心に伝えきれていないことがそういう誤解を生んだと反省しています。

実際、海外の偉い先生が

「高血圧と栄養状態を清浄化させる決定的な因子は透析時間」

と言われています。

私の経験値はまだまだこれからですが、データとしてはきちんと蓄積されています。

患者さんにもいろんな思いがあるのでそれを聞きながらも自分の信念は持ち続けようと思っています。