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院長の臨床メモcolumn

2011.12.27

エルカルチンの心臓に対する長期予後

エルカルチンは今注目されている薬の一つです。

このブログでも何度か書いていますが、検索としてはかなり上位を占めている今注目されている薬剤です。

今回は透析患者さんの報告ではありませんが、アメリカの心臓の雑誌にエルカルチンについて載っていましたので報告します。

この報告の患者さんは拡張型心筋症といってかなり重篤な心臓の病気の方に対して行われた研究です。

ギリシャの方々が報告しています。

エルカルチンを飲んでいるグループと飲んでいないグループの差は?

内服して1年後から徐々に生存率に差が出てきました。

2年経つと飲んでいる方と飲んでいない方の差は歴然となりました。

3年後の生存率は内服しているグループは97%に対して、内服していないグループは82%でした。

しかも特にやめるほどの副作用もなかったということです。

重篤な心臓病の方・・・・特に心臓の筋肉(心筋)が傷んでいる心臓病に対して有効であると示された報告です。

透析患者さんでも拡張型心筋症、あるいは拡張型心筋症に近い心臓をお持ちの方がいらっしゃいます。

3年間という比較的長い期間でエルカルチンの有効性が示された論文と言えます。

「心臓を守る」薬として有効だと僕は信じています。

今後もっともっと規模の大きな研究でエルカルチンの有効性が示される報告が出てくることを期待しています。