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院長の臨床メモcolumn

2021.05.18

高カリウム血症の研究会:講演のまとめ+α

カリウムは1回の透析で2000-4000㎎除去される

(1日の透析患者のK摂取はおおよそ1500㎎まで)

・CKDではステージの進行に従い高K血症が発生しやすくなる。これはRAS阻害薬の有無にかかわらず発生しやすい。

・しかしステージ5でカリウムが高くなりやすいが、有害事象が起こるとは限らない。これは慢性的なカリウム高値により耐性が生じている可能性がある。

・とはいえ、高K血症による不整脈死は透析患者でも起こる可能性があるためカリウムには十分に注意をしなければならない。

・高K血症=悪というイメージがあるが、K摂取が多いほうが栄養状態が良好なことも多い。

・高K血症に関しては、過度な制限は摂取量不足にもつながる可能性があり、栄養評価をしながらうまく制限をしていかなければならない。

・カリウム含有が高い食物として、生野菜や果物はあるが、そのほかにも、玉露、抹茶、トマトジュース、赤ワイン、芋、キノコ、納豆、カレーライスにも注意しなければならない。

・栄養指導でも効果が乏しい場合はK吸着剤を使用する。

K吸着剤としてロケルマ®が発売された。CKDでは初めの2-3日目で15g内服することにより1時間以降からK値が低下する。

・外来で早くK値を低下させたいときには有効である可能性がある。

・これまでのK吸着剤と異なり1日1回というメリットは大きい。

・無味無臭である。

・非ポリマーなので便秘や腹部膨満が生じにくいというメリットがある。