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院長の臨床メモcolumn

2016.03.03

長期透析生存にはBMIも必要

透析学会誌で「長期血液透析患者の栄養状態と栄養摂取等接種の検討」という論文がありました。

非常に有意義な報告で、20年以上透析された方の栄養の指標を追っています。

20年以上もよくデータとして継続的に行い、残してきたなあと本当に感心します。

データとしてはMBI、アルブミンや%CGRなどの栄養の指標や一般的なBUNやリンの記載もありました。

18名の20年以上の透析患者さんのデータを見てみると、アルブミンや%CGR、BUN、リンは20年かけて徐々に低下しています。

それは当然といえば当然と思います。

20歳、年を取るわけですから当然の結果だと思います。

しかしBMIは変わっていないんですよね。

ということは筋肉量は年々低下しても、長期透析患者さんは体脂肪がある程度維持されていることになります。

この論文では20年間の脂肪量のデータはありませんが、そういうことを示しているのだと思います。

また、10年以下の透析患者群、10-20年の透析患者群、20年以上透析患者群で比べると、その時点のデータではアルブミンなどの栄養指標、バイオインピーダンスでの体脂肪率や骨格筋率に有意な違いは見られませんでした。

ということは20年以上透析されている方は、20年前はもっといいデータだったということになります。

この論文を見るとBMIを維持することは非常に重要だと思うのと同時に、20年以上透析されている方は20年前からしっかりと栄養を維持していたことがわかります。