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院長の臨床メモcolumn

2022.01.21

鉱質コルチコイド反応性低Na血症

高齢者では脱水症や栄養不良で時に低Na血症となる。

血液検査で偶然発見されることは多いが、時に著明な低Na血症が発生すると痙攣したり、意識消失、意識障害となり救急車が必要となる。

低Na血症に関してはいろんな疾患の鑑別が必要となるが、この鉱質コルチコイド低Na血症では下記の状態の場合に疑う。

  • 高齢者の低Na血症
  • 脱水症
  • 脱水にもかかわらず尿中Naの低下がない(通常は脱水症の場合は尿中Na排泄は低下する)
  • 脱水にかかわらず低レニン、低アルドステロン血症となる(通常は両者とも上昇する)

 

治療としては点滴で行うことが多い。

それでも低Na血症が持続する場合は、鉱質コルチコイドであるフロリネフ®(フルドロコルチゾン)を1日0.02‐0.1㎎を分2-3で使用する。

当院はクリニックなのでこの疾患に対する初期治療は行わないが、中核病院で診断された後のフォローで紹介されることがある。

フロリネフ®を服用していても夏場の低Na血症は注意しなければならないし、通常でもNaだけではなく、Kの動きも配慮する必要がある。