高血圧と慢性心不全に対して保険適応があるエンレスト®の透析患者における日本人のデータ。
アジルサルタンからエンレストへ変更3か月後のデータを報告。
- アジルサルタン30㎎±10㎎→エンレスト®204±64㎎
- 変更後、早朝時血圧、就寝前血圧は有意に低下した。
- 心不全のマーカーであるNt- Pro-BNPが有意に低下した
これらはいずれもエンレストが血圧、心不全に有意に働いている結果と思われます。
さらに、透析中の血圧に変化を与えなかったということは大きいと思います。
血圧が低下した症例もあったようですが、統計的には透析中の血圧に変化はありませんでした。
つまり、透析中の血圧に変化を与えず、家庭血圧を低下させます。
これらの結果のうち、
- 血圧がよく下がった症例ほど、Nt-pro-BNPは低下した
- もともとのNt-pro-BNPが高いほど、同マーカーが低下した
- ドライウェイトの減量とNt-Pro-BNPの低下は相関しなかった。
総合すると、エンレスト®は透析患者に使用しやすい薬剤といえますし、ARB単独に比べて、血圧低下と心保護の両面で期待できます。
特に心臓の収縮力が弱い患者さんに対しては有効である可能性があります。