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院長の臨床メモcolumn

2023.12.09

透析患者さんの心不全にエンレストを積極的に投与するべきか?

エンレストは心不全と高血圧の治療薬です。

心不全は50㎎×2回/日、高血圧200㎎(100㎎でも可)×1回/日で開始します。

透析患者でも使用可能で、高K血症が心配されますが、比較的頻度は低いのではないかと思います。

透析患者さんの心不全には一般的にはβ拮抗薬を使用します。

心不全では基本的な血症としてはβ拮抗薬やARBもしくはACE阻害薬を十分量(可能な限り)を使用します。

透析患者さんでは透析中に血圧や脈拍が低下することがあるため、これからを少量から使用します。

そこから血圧や脈拍を見ながら増量するのですが、β拮抗薬を使用していると血圧低下もそうですが、透析中に本来上がるべき時に脈拍が上がらなかったり低下したりして、血圧低下と重なりとてもしんどくなることがあります。

このようにβ拮抗薬を使用しづらいときにはエンレストも選択肢の一つだと考えます。

しかし、エンレストはACE阻害薬やARBの切り替え薬とのみ、つまり第2選択薬ですので初めから投与できません。

ACE阻害薬より優れているという心不全の研究もあることから第一選択薬としても考えてよいかと思いますが、保険適応上は使用できないことになっています。

ですので、k本的な指針通り、β拮抗薬.、ACE阻害薬を使用し、何らかの不都合な事態になればエンレストに変更してもいいと思います。

注意点としてはACE阻害薬と切り替えるときは48時間あける必要があるということです。

エンレストによる透析患者さんへの心保護などの報告もありますが、まだエビデンスとしては少なく、今後の報告に期待されるところです。