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院長の臨床メモcolumn

2015.09.24

透析患者さんとプロカルニチン(PCT)

PCTは細菌性の重症感染症の時に陽性となります。

よくある風邪などのウイルス感染症の時はいくら40度の熱があってもPCTは上昇しません。

ですから、PCTはCRPと違った意味で、細菌性かウイルス性かの判断材料になります。

0.05未満が正常で0.5以上が細菌感染、2.0以上が重症感染症である細菌性敗血症という基準になります。

透析患者さんは本来なら陰性の場合でも「±」や「陽性」となる場合があるようですが、そうでないという報告があります。

個人的な経験では透析患者さんや腎臓病患者さんでもかなり感度の高い検査と思われます。

ただ、難しいのが「±」判断。

結局、細菌性ともいえず、ウイルス性ともいえず。

CRP高い場合は膠原病や血管炎などのほかの状態も考える必要があります。

総合的な評価というのは絶えず必要ですが、PCTは鑑別という意味では非常に有用な検査だと思います。