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院長の臨床メモcolumn

2020.06.05

透析とNSAIDs

(概要)

・腎障害を持っている患者ではNSAIDsは極力、投与しない方がいい

・透析患者では積極的な投与は勧められないが、投与量に関しては「減量の必要性はない」と記載されている

・NSAIDsは一般的に

①投与量が多いほど副作用が多いといわれている

②70歳以上で消化管潰瘍の出現が多いといわれている

③潰瘍の既往がある方はNSAIDsによる潰瘍が生じやすい

④座薬も内服薬同等の副作用のリスクがある。

 

(感想と印象)

-保存期腎臓病に関してはロキソニンやボルタレンなどのNSAIDsは腎障害悪化のリスクが高いため極力、処方しない方がいい。

-特に夏場の脱水症のリスクがあるときに内服すると増悪する可能性が高くなる。

-透析に関しては減量の必要性はないが、高齢が多い、消化管潰瘍の既往がある患者は注意である。

さらに、抗血小板剤を内服していることもあり、いったん潰瘍形成すると出血性消化管潰瘍など重篤化するリスクはある。

-透析患者では減量の必要性がないものの、出血性消化管潰瘍のリスクを考えると、漫然とNSAIDsを投与するべきではないと考える。極力カロナールを使用し、痛みが強い時だけ、NSAIDsを使用したほうが望ましいと考える。