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院長の臨床メモcolumn

2016.05.14

腎臓病外来でのカリウム制限

腎臓病が進行するとカリウムが尿から排泄されづらくなり、カリウムが上昇します。

果物や野菜、もちろん乳製品や魚肉類にもありますが、まずは制限できそうな果物や野菜制限をすることが多いです。

果物の場合、生果物はカリウムが高いので「缶詰にしましょう。」というのが定番になっています。

しかし、缶詰だったらいくらでも食べていいということにはならないので注意しましょう。

食事中のカリウム含有量に関しては文献やインターネットでもいろんな数値がありますが、生果物と缶詰と10倍違うかという言えばそうではありません。

たとえば、缶詰でよく食べるミカン。

みかん;小さいミカン2個で100g カリウムは130㎎

缶詰ミカン:20粒で100g カリウムは75㎎

違うレポートでは

みかん 100g カリウム 113㎎

缶詰ミカン 10粒50g カリウム46㎎(同じ100gなら92㎎ということになりますね)

ということは大きく見ても、2倍弱、場合によっては30%くらいしか変わらないということになります。

ですから、カリウムが高い場合は果物を控えましょうということになって、「缶詰なら大丈夫」という指導は適切ではないと思います。

あくまで缶詰の方がカリウム含有量が少なくて、まだましということです。

これはパイナップルやももでも一緒です。

缶詰も倍食べると、生果物と同じ量、あるいは少し多めになってしまう可能性があり、制限になっていない可能性があるので注意が必要ですね。