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院長の臨床メモcolumn

2011.07.19

胸部エックス線

前にも書きましたが、当院では月1度に透析後の胸部エックス線を全員に行っています。

肺のチェックもありますが、毎月行う理由は心胸比のチェックです。

1か月前から3か月前などと比較して、大きくなっているか、小さくなっているか、変わらないかを見ています。

この変化が非常に大切なのです。

ところが今回、やけに心胸比の大きい方が目立ちました。

やけに心臓の形が”ぼてっ”としていて大きかったのです。

患者さんに確認すると息止めがしっかりできていない、息止めの指示があいまいだった、息止めの声がきこえなかったということです。

胸部エックス線で息を大きく吸って止める理由は・・・
①息を吸ってなるべく横隔膜を下に下げて胸部を大きく見せるため
②お腹の皮下脂肪による横隔膜への圧迫を軽減させるため

胸部エックス線で息を吸った時と吐いた時の心胸比は全く異なってきますし、心臓の形も変わってきます。

きちんと息を吸って撮れていなかったとわかる時もあれば、わからないこともあります。

当たり前に取っている胸部エックス線ですが、この基本的なことを忘れていると不用意にDWを変更しかねないなと改めて感じました。

と同時に胸部撮影をしてもらう放射線技師にもきちんと胸部エックス線を撮る理由を説明する必要があると痛感しました。