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院長の臨床メモcolumn

2011.07.16

ドライウェイト【2】

それではどうやってDWを決めていくか?

基本的には定義通り、
①むくみがない
②透析中に血圧が下がらない
を基本としています。

検査としてはおそらく全ての施設で用いているのが胸部エックス線の心胸比(CTR)だと思います。
透析前に撮っているところもあれば、透析後に撮っているところもあり、施設間でのばらつきはありますがこれはまず必須だと思います。
心臓の大きさや胸水や肺の水の貯まり具合(肺うっ血)を見て、DWの調整を行います。

あとは血液検査(ハンプ)、エコー検査(下大静脈径など)、バイオインピーダンス法(体脂肪率などがでる器機)、クリットラインモニター(透析中の水分の除去の状況を示す器機)が使われています。

全ての検査で長所と短所があり、総合的に考える必要があると思います。

例えば胸部エックス線でとても心臓が大きいが実際エコー検査で中身を見てみるとよく動いていて余分な水分もたまっていない時もあります。
逆にエックス線で心臓のサイズは正常だがエコー検査で心臓が大きく、機能も低下している場合もあります。
ですから胸部エックス線は個人差、性別差があり患者さん個々の変化をみることが最も大切です。その時の写真だけではなく、過去の写真と比べるということがDWの評価においてかなり重要だと考えています。。

浮腫の程度や血圧やエックス線で凡そはDWの見当はつきますが、可能であれば色々な検査をして総合的に決定できればいいと思います。

特に血圧が異常に高かったり、血圧がよく下がる方に関してはエックス線のみでは物足りず、きちんとDWの評価をすべきと考えます。

もちろん前回言いましたように、透析間の体重増加や降圧剤の関与は考えるべきであり、必要に応じて昇圧剤や透析方法の変更もしなければいけない場合もあると思います。

DWをきちんと評価し決定することは患者さんにできる限り楽に透析を受けて頂く、必須の項目だと思います。