糖尿病性腎症の典型的な悪化するパターンとしては
尿アルブミンが出現し、その後、尿蛋白が陽性となり、腎機能が悪化してきます。
しかし、最近ではそれ以外に
尿アルブミンは陰性なのに腎機能が悪化してくるパターン
尿アルブミンは陽性だけど進行してこないパターン
尿アルブミンは陽性だけど、尿蛋白までに至る前に早く腎機能が悪化してくるパターン
など多様化してきています。
尿アルブミンや尿蛋白が出現すれば、腎機能悪化の予測因子となりますが、
上記の通り、絶対的なマーカーとはならないということです。
予測因子として、最近注目されているのが、可溶性TNF受容体濃度です。
この数値が上昇していると尿アルブミンなどよりもっと早期に腎障害が進行するかどうかが予測すると報告されています。
つまり、尿アルブミンが上昇してくるステージだけではなく、尿アルブミンが陰性のステージから上昇し、将来的な腎障害の進展を予測してくれる可能性があるということです。
はやめに予測できれば、血糖管理ときちんと行うことで腎障害は免れるかもしれません。
患者さんもこれではまずいと思って頑張るでしょう。
臨床ではまだ使用できませんが、将来的に期待される検査項目と考えます。