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院長の臨床メモcolumn

2015.03.13

減塩を考える。

昨日、加古川プラザホテルで「明日の腎臓を考える会」で発表してきました。

症例発表で私は「CKDステージ5でのARB-Ca拮抗剤の使用経験」について発表しました。

CKD5の患者さん2名とCKD5D(透析)患者さん2名を発表しました。

CKDステージ5の患者さんは圧利尿曲線を用いて発表しました。

腎機能障害が進行すると全身の血圧も上昇し、さらに塩分が貯留するため、血圧が上がりやすくなります。

塩分が体内にあると血圧の薬が効きにくく、減塩するだけで血圧の薬が効きやすくなり、減塩の効果も高まります。

腎機能が残っている方には利尿剤投与によりましになることがありますが、腎機能が悪化するとそれほどNa排泄は期待されず、時に大量投与が必要になることがあります。

透析をされている方は利尿剤では効果がないので、塩分制限が一番です。

塩分制限により血管内の水分が減少し、降圧剤の効きもよくなります。

今回の発表に際し、いろいろと勉強しましたが、高血圧の基本はやはり減塩であり、減塩により血圧が下がる以上に、もともと飲んでいる降圧剤の効果が増すことがわかりました。

特別講演をされた東京大学の下澤先生にもお話をさせていただき、色々と教えていただきました。

特に血圧に関しては、本当に造詣が深く、圧利尿曲線や利尿剤の使い方について、非常に勉強になりました。

一緒に発表させていただいた中田医院の中田先生は本当の忙しく、医師会などいろんな重責を背負われている方ですが、臨床も一生懸命されており、腎臓病を啓蒙するためにご発表されるお姿は本当にご立派だと感銘を受けました。

私も頑張ろうという気持ちにさせていただきました。