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院長の臨床メモcolumn

2015.03.03

新しいムズムズの治療となり得るか?

透析患者さんはしばしば足ムズムズ症候群(レストレスレッグス症候群)悩まされます。

安静時、透析中に足がむずむずして、足の居場所がなくなる、ムズムズしすぎて眠れなくなる。

レストレスレッグス症候群(RLS)に対してはオンラインHDF、薬物療法、鉄剤の投与が中心に行われています。

薬物療法は一般的にはビシフロールが投与されますが、透析患者さんでは効きすぎる傾向があり、便秘や眠気が問題となることがあります。

あと、よく使用されるのが、リボトリールです。

眠気は出ますが、比較的残ることも少なく、臨床的には使いやすい薬です。

鉄欠乏の場合は鉄剤を投与します。

鉄を投与することによって鉄代謝が改善し、ドパミンのシグナルを回復を期待します。

ただ、鉄欠乏状態にならないと鉄剤は投与しづらいですね。

今、有効かなあと考えてるのが、リボトリールとベルソムラの併用です。

ベスソムラは最近発売になった、オレキシン受容体拮抗薬で、覚醒中枢を抑えます。

lhttp://www.kitauraclinic.jp/blog/2014/12/post-537-1045430.html

それにより睡眠を誘発する新しいタイプの薬です。

重症分類で重症や重症に近い中等度の患者さんに対して、ムズムズでリボトリールの効果が不十分な場合、ベルソムラ15㎎併用すると、不思議とムズムズの症状はかなりマシになります。

患者さんもムズムズがましになり、さらに夜眠れるようになったと喜ばれます。

しかし、注意なのは眠気です。

ベルソムラが徐々に効いてくると、リボトリールと相重なって眠気が残ることがあります。

この併用療法が長期的に有効かどうかは不明ですが、いい組み合わせだと思っています。