はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2023.08.28

正中弓状靭帯圧迫症候群

正中弓状靱帯は左右の横隔膜の動きを安定させる靱帯です。

そのため、呼吸の数時と吐くときで伸ばされたり縮んだりします。

この靱帯が通常より約4㎝下側のあることによりおなかの血管の根元を圧迫する病気を正中弓状靱帯圧迫症候群です。

症状は食後の腹痛、下痢があります。

食後の痛みは30分‐2時間程度ですが、ひどく痛むときもあります。

これは胃を栄養する動脈が根元で圧迫されているので、胃への血流が低下しているためです。

食後、胃は多くの血流を求めます。それにもかかわらず、血流が低下すると悲鳴を上げるわけです。

診断は造影CTやMRアンギオになります。

治療は外科的な方法もあれば、カテーテル治療があるようです。

正中弓状靱帯圧迫症候群はまれな病気ですが、なかなか治らない腹痛、下痢など、例えば過敏性腸症候群と思っていたらこの症候群の可能性はあります。