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院長の臨床メモcolumn

2012.03.24

来年度の透析膜の選定

来年度の透析膜をどれにするか技士さんと話をしてみました。

技士さんとは1カ月に1度透析効率について話し合いをします。

その中で、透析効率をよくするには時間に勝るものはなし!という結論はついています。

しかし透析時間は簡単には長くできるわけではありません。

まだまだ、患者さんは短時間透析への憧れを持っているようです。

全体的には時間延長をしてきていますが、患者さんの本音はそうなんでしょうね。

透析時間以外で透析効率を上げるために血液流量を上げたり、透析膜面積を上げたりします。

今回、透析膜の選定を行いました。

基本的な膜面積は2.1m2としました。

理由としては全ての体格で無難であること。

また膜面積を上げても、過去の経験から上げたとしても倦怠感が出現したり、血圧が低下しやすくなったりすることはほとんどなかったことが理由です。

透析時間を伸ばしたくない8○歳のおばあさんでも2.5mの透析膜を使っていることを考えるとそれ以下の若い方に対して1.5~1.8という小さい範囲でちょこちょこ調整するより、透析効率を考え、2.1以上に基本的にしてもいいのではと思います。

2.1mを基本として、患者さんに合わせて膜の種類を決めていきました。

透析膜の種類は

CTA

PES

VPS

PMMA

としました。

どうしても2.1mの透析膜でしんどい、つらい、などの症状が出てきた場合は楽に透析できるように一時的(最高1カ月)にEVAL膜を使用しようと考えています。

つらい時はまずはEVALでシャープではないがブロードな除去を行い、負担を感じさせないようにすることが目的です。

EVAL以外にAN69も考慮に入れましたが、まずは白血球や血小板凝集にも優れたEVALにしてみます。

オンラインHDFもありますが、台数が5台ですので現状では限界があります。

時間ありきとはいえ、患者さんに適切で透析効率も見込める透析膜の選定は大切です。