多くの透析施設は1カ月に1回胸部エックス線検査を行います。
一番は心胸比という心臓の大きさを見ています。
心胸比が大きくなっている=心臓が大きくなっている
というわけでは決してありませんが、確かに胸部エックス線で心胸比が大きくなっていたら心臓に負担が掛かっていると考えても間違いではないと思います。
それではなぜ心臓が大きくなったのか?
“心臓に水がたまっている”、”心臓に負担が掛かっている”、”心臓が膨れている”などといいますが、
実際、心臓がパンパンに張って引き伸ばされている状態に近い状態なのです。
心臓は筋肉でできています。
筋肉が水の圧力で引き伸ばされています。この時の心臓への負担を容量負荷といいます。
容量負荷により引き伸ばされた心臓の筋肉はどうなるか??
⇒引き伸ばされてもとに戻らないバネのようになります。
⇒伸びきったバネを心臓の筋肉に例えると、心臓が伸びたり縮んだりする力が低下していることになります。
ですから心臓に水の負担が多い状態が続くと心臓が引き伸ばされて十分な機能を果たせず心不全となっていくのです。
そうなると呼吸困難、息切れ、疲れやすいという症状が出てきます。
対策としては食事や水分制限が必要になって来るのはもちろんですが、放っておくとさらに心臓がパンパンになって、もっと引き伸ばされてきます。
ですから透析での除水を強化しなければなりません。ドライウェイトを下げることになるということです。
これは徐々に引き伸ばされてくるので胸部エックス線だけではなくエコーでも確認していく必要があります。