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院長の臨床メモcolumn

2011.08.19

血圧が下がったらなぜ除水を止めるの?

昨日、血圧が下がったらどんな症状になるかというお話をしました。

急に血圧が下がったら本当につらいと思います。

スタッフも、患者さんがしんどそうだし、血圧低下を放っておけないので除水を止めます。

この除水を止めるというのは透析医療では当然の対応です。

でも、患者さんの中ではしんどいんだけど、水は全部抜いて気分をすっきりして帰りたいという患者さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

おそらく、血圧下がってしんどいのは耐えるから、除水は継続してほしいという思いがあると思います。

これは本当に悩むところです。

しんどいのをわかっていて除水を止めてほしくない患者さんと、しんどそうでこれ以上悪化させてはいけないというスタッフ。

どちらも責めるべき問題ではありません。

それぞれ思いと考えがあるのですから。

では血圧低下があって、しんどそうでも除水と止めずに放っておくとどうなるか?

からだの反応としては心臓や脳などの臓器を守ろうとして、内臓に血流を送り込みます。

その分、腕や足の血流は低下します。

⇒その結果、こむら返りを中心とした痛みがあちこちで起こります。

さらに。。。放っておくとどうなるか?

⇒心臓や脳への血流も低下し、意識が飛んだり、心臓発作が出たりします。

スタッフも患者さんの気持ちを察してできる限り水を引こうと思っています。

しかし心臓発作や意識消失などの重篤な症状を起こすわけにはいかないのです。

患者さんの思いや自覚症状やこれまでの経験なども十分踏まえながらも、安全に透析が終われるようにしなければいけない努めがあります。