事務員に 「○○会社の○○さんに電話かけて。電話番号わかる?」といったところ「大丈夫です」という返答がありました。
○○会社の○○さんは担当交代して間がないので、電話番号を知らない可能性があると思った聞いてみたという普通の会話です。
この、会話の中の「大丈夫」という言葉に、僕は安心を感じました。
「大丈夫」というよく使う言葉、
辞書では、
・あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま
・まちがいがなくて確かなさま と記載されていました。
この会話では、まさしく「安心できて、確かなさま」に当てはまる「大丈夫」でした。
しかし、この「大丈夫」というのは患者様に聞くときにはどうなのか?
「体調大丈夫ですか?」 「かぜは大丈夫ですか?」 「痛みは大丈夫ですか?」 主語もなく「大丈夫ですか?」 などいろんなパターンの「大丈夫」があります。
長年医者をやっていると
ついつい「大丈夫?」と聞いてしまいます。
老人ホームで、
「大丈夫かどうかと言われても、大丈夫ということもないし、大丈夫ではないといえば、大丈夫ではない」
と言われてしまいました。
患者さんからすると正直な気持ちかもしれません。
ひょっとして、 「大丈夫」という言葉は、今回の会話のように、受け取る立場であるときは非常に安心感をもらう言葉になり得ますが、聞く立場であるときには聞き手が安心感を覚えたい言葉になるかもしれません。
聞かれた本人は実は何か言いたかったかもしれませんが、控えめな日本人はついつい「大丈夫」と言ってしまうのかもしれません。
「大丈夫」というのは確かに、安心感を与える言葉でもあります。
「大丈夫?」と聞かれて、「大丈夫」で会話が終わるわけではありません。
しかし、「大丈夫?」と聞くときには、 医療従事者にとってよくよく考えて、少なくとも主語をつけて、相手のことを見ながら使うべきだなあと改めて感じました。