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院長の臨床メモcolumn

2022.02.01

外来でモルヌピラビルを処方して

モルヌピラビルは、商品名ラゲブリオ®はSARS-CoV-2 における RNA 依存性 RNA ポリメラーゼに作用することにより、ウイルス RNA の配列に変異を導入し、 ウイルスの増殖を阻害する薬剤。

抗ウイルス薬なので発症早期の5日以内までに投与しなければいけない。

投与するには基準があり、軽症かつ、重症化リスクのある患者さんが対象となる。

この薬剤は、入院や死亡リスクを約30%抑制するという臨床結果があり、臨床使用が承認された。

実際使用してみると、当然ながら実感はない。

開業医からすると、入院抑制や死亡率の抑制より、発熱などの臨床症状がどれだけ早く改善したのかが一番ポイントになる。

例えば、インフルエンザなら抗インフルエンザ薬で飲まない方に比べると1-2日間解熱する機関が早くなるというデータがある。

ラブゲリオ®にはまだその情報がない。

オミクロンは重症化することは少ないため、本当に必要な状態なのかどうかは正直言って悩ましい。

外来での治療薬は非常にありがたいが、まだ手探り状態であり、情報収集は必要である。

「薬飲んで楽になったよ」というのも一つの実感である。

 

本日、当院は開院10年目に入る。