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院長の臨床メモcolumn

2021.05.10

介護施設でのクラスター

介護施設でクラスターが発生し、入所者の方々が死亡するという報道を見る。
志望される多くの方は80歳以上の高齢者で、年齢的には本来入院すべき、あるいはするはずの方々に当たる。
施設では認知症が多く、マスクできない、隔離しても病識がない隔離ができない問題はある。
さらにソーシャルディスタンスを保ち続けることは不可能である。

私も特別養護老人施設の嘱託医をしているので他人事ではない。
入所者の方はマスクはしていないし、距離も保つこともできない。
これは仕方のないことである。

数年前、感染性胃腸炎が施設で流行したさいに、全員部屋に隔離したことがある。
感染は数日で沈静化したが、問題は入所者の方々の隔離のストレスである。
ストレスによる不穏が多発し、隔離が不可能な方もいた。
数日でさえ、そのような状況であることから、この長いコロナとの戦いで隔離などできるはずがない。

対策としては
職員の感染対策、本人や家族に何らかのコロナを疑わせる症状があった場合、速やかにコロナの検査を実施する。
あと、大切なのは、高齢者施設、特に入所施設では職員への接種を早めることだろう。
入院できない状況、さらにクラスター化しやすい状況、社会 問題になりやすい、もっというと高い致死率を考えるとワクチン接種を早く進めてほしいと願うものである。