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院長の臨床メモcolumn

2020.09.07

今冬の発熱に対するかかりつけ医の対応

(概要)

インフルエンザ感染症を踏まえて、厚労省から、発熱患者発生時の流れについて報道があった。

概要は下記のとおり(厚労省HPより抜粋)である。

発熱等の症状のある方の相談・受診の流れ
<住民に対して周知すること>
 発熱等の症状が生じた場合には、まずはかかりつけ医等の地域で身近な医療機関に、電話相談すること。
 相談する医療機関に迷う場合には、「受診・相談センター」に相談すること。

<都道府県等や地域の医療関係者で整備すること>
 発熱患者等から相談を受けた際に、適切な医療機関を速やかに案内できるよう、「診療・検査医療機関」とその対応時間等を、地域の 医療機関や「受診・相談センター」間で随時、情報共有しておくこと。
 その上で、地域の医師会等とも協議・合意の上、「診療・検査医療機関」を公表する場合は、自治体のホームページ等でその医療機 関と対応可能時間等を公表する等、患者が円滑に医療機関に受診できるよう更なる方策を講じること。

(印象と感想)

・かかりつけ医が発熱を見ていくことは本来当然のことであり、少なくとも内科小児科は一年を通して対応してきた。

・現在、新型コロナは減少しているが、そのような状態でも発熱患者は発生しており、患者ごとに動線を分けている状態である。

・たった一人来院するだけで、対応に時間を要する。

・電話対応にも時間を要する。動線を分けるかどうかのトリアージは電話の段階で始まっており、問診の聴取などに時間を要する。

・今後、発熱患者は増えるだろう。複数人となった場合、事務的な手続きを含め、トリアージ、動線の区分、時間の消費などいろんな問題が出てくるだろう。車で来院される患者は車内で待っていただけるが、徒歩などで来院された場合は、処置室待機となる。その場合、カーテン隔離するが、2-3人で満員状態となる。また、発熱以外に来院されている患者の安全性、待ち時間などにも影響が出てくる。

・そのほかに、対応できない医療機関は対応できる医療機関に紹介をするような内容のシェーマであったが、対応できる医療機関が少ない場合、一部の医療機関に集中するため、「対応できる医療機関」として手上げしても、手が回らなくなり、制限がかかる可能性もある。

・基本的には発熱はかかりつけ医で見るべきものであるが、インフルエンザ流行前にきちんとした方策を立てないと地域の医療は混乱すると思われる。