2年ごとの診療報酬改定。
その中でも今回、シャントPTA(風船治療)の診療報酬が大幅にアップされました。
これまで低すぎたのですから当然と言えば当然です。
このニュースを聞いた時、正直言って、「これでシャントトラブルがあっても少しは頼みやすくなる」と思いました。
術者にとってはやはり治療も大事ですが、利益も大切です。
シャントは本当に複雑な血管のことが多いので時間を要することもあり、心身ともに疲れてしまうことも多々あります。
そんなときに、難しいし、点数が安いし。。。とついつい愚痴をこぼしてしまうことも。。。
今回の大幅アップ。
しかし、請求できるのは最低3ヶ月経たないとできないということです。
例えば4月1日にPTAすれば、次は7月2日以降でないと請求できないようです。
手術費用も材料費用も。
その間にもう一度PTAが必要になったら。。。すべて持ち出しということになります。
これはなんというプレッシャーでしょうか?
PTAして、翌日閉塞してしまうこともあれば、2ヶ月後と繰り返している方もいらっしゃいます。
ただ、国が決めたことだから仕方ないですよね。
では透析室としてどうするか?
完全閉塞を作らないこと!!
完全閉塞と狭窄は全く別物です。
シャントが完全に閉塞して、PTAするとPTA直後に詰まったり翌日詰まったり、いい結果にならず、またシャントPTAをしなければならないことがあります。
ですから透析室管理の責任として最低シャント完全閉塞を作らないことです。
今回の診療報酬改定で、反対に管理(クリニック)側はプレッシャーになります。
だって、3カ月以内に再度シャントPTAが必要になれば病院の自己負担になるのですから。
もし、そうなってしまったらどうしよう。。。
当院はまだ同じ法人ですのでたとえそうであっても頼みやすいですが、もしクリニック単独であれば、外のシャント施設に頼まなければなりません。
そのプレッシャーは本当に厳しいものだと予想します。
PTAがダメであれば、シャント作成術という手段は残っています。
①大切なシャント管理で完全閉塞を作らない。
②シャントが上手な先生に作ってもらう。
③PTAができない場合に、いつでも頼める上手なシャントドクターと連携を取っておく。
これが来年度シャントPTA診療報酬改定五に必要な策と思われます。