シャント狭窄が疑わしいときは当院ではすぐにシャントエコーを行い、シャント狭窄の有無を確認します。
シャント狭窄が疑わしいときというのはほとんどが患者さんの症状はありません。
スタッフが聴診器で聞いたり、透析中の脱血が悪くなったときにシャントエコーを依頼することになっています。
シャントエコーで難しいのは狭窄はあるけれども透析は問題なく行えているときです。
透析ではじめから脱血不良であれば問題なくPTAをしますし、透析での除水をしていくにつれて血管内の水分量が減少しシャントからの脱血が悪くなる場合もPTAを行います。
しかしエコーで狭窄はあるけれども透析は無事行えている場合はPTAすべきかどうかは判断に迷います。その方が頻回に繰り返しているのであれば行いますし、そうでなければ透析での脱血不良が出現した場合に行うことが多いです。
実際、少ないケースですがエコー狭窄があって透析が問題ない場合、経過を見ている中で完全閉塞してしまったという痛い経験もあります。
PTAのタイミングは本当に難しいです。ただ、完全閉塞するくらいなら少し早目にした方が患者さんにもいいですし、PTAを行う医師にとってもいいはずです。
完全閉塞は成功率不良、出血などの合併症増加、再手術率の増加につながるのですから。