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院長の臨床メモcolumn

2011.06.30

どうやって下肢閉塞性動脈硬化症を見つけようか?

当院では年に1度、下肢動脈閉塞性動脈硬化症の発見や足壊疽の予防を目的として看護師による足の観察(フットケア)以外にABIを実施しております。

ABIは非常に簡便な検査であり、動脈硬化や足壊疽の発見には非常に有用だとされております。
上肢の血圧と下肢の血圧の比を出して、数値化しているもので、下肢の血圧が同じあるいはすこし高くなければいけません。

基本的には0.9以下が異常値とされております。
透析患者ではこれまでの報告から16-38%の方々が異常値を示されているようです。

気をつけなければらないのがこのABIという検査。非常に簡便で結果もすぐに出る非常に便利な検査ですが、感度があまり良くないのです。

異常値であればそれを信じていいのですが、一番むずかしいのが正常と判断される方の中にも実際は病気が隠れていることがあるのです。

感度がいい検査としてはTBI、SPP、造影CT,エコー、血管造影など検査がありますが検査の時間や侵襲性や施設間での設備の問題がありすべてがそろっていることは珍しいと思います。

当院ではABIとエコーと比較し、ABIが1.0以下の時に動脈効果が潜んでいる可能性が高いと判断し、ABIの結果が思わしくない場合はエコーや下肢造影CTを行い、早期発見、早期治療を心掛けています。