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院長の臨床メモcolumn

2011.09.08

シャントとお風呂

「透析の日はお風呂は入れません」とよく言われます。

しかしシャントは感染を予防するために清潔にしなければなりません。

これって矛盾しているなあって思っていました。

それにも関らず、なぜ透析の日はお風呂に入ってはいけないといわれているのでしょうか?

①穿刺部位を濡らさないため:細菌が入り込む可能性がある。

②穿刺後のかさぶたが取れて再出血してしまう可能性がある。

③入浴中や入浴後に血圧が下がってしまう可能性がある。

以上の3点が透析日に入浴できない大きな理由と思われます。

①細菌が入り込む可能性

 出血がしていない場合は細菌感染の可能性は低いと考えます。しかし刺した後の傷口に感染することも否定はできません。

⇒できれば防護テープを張った方がいいと思います。また入浴するのならあとできちんと洗い流して、消毒しておいた方が無難でしょう。

②出血の可能性

⇒入浴すると血流が多くなりかさぶたが取れて出血する可能性があります。しかし完全に止まっている場合は出血する危険性は低いと考えます。いつもより止まりにくい場合はやめておいたほうがいいでしょう。

③血圧低下の可能性

⇒これが一番注意しなければなりません。透析後、特に夏場は血圧が低下しやすいので入浴は危険かもしれません。血圧が下がらない方であれば大丈夫と言えるでしょう。

以上から
・なかなか血が止まりにくい方

・血圧が低下しやすい、または透析後立ちくらみしやすい方

・シャント部の皮膚感染を繰り返す方(あまりいませんが。。。)

上記の方は透析日の入浴はやめておいた方がいいでしょう。

軽くシャワーを浴びる、立ちくらみや出血に注意しながら半身浴をするのいう方法はあるかもしれません。

ただし、入浴される方は感染には注意が必要です。特にシャント肢はきちんと洗い、消毒した方が望ましいでしょう。
消毒の必要性については患者さんによって異なりますので透析スタッフに聞くべきだと思います。