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院長の臨床メモcolumn

2012.05.08

透析による肩関節症

透析を長く続けていると肩関節にアミロイドが沈着して、とても痛くなったり、関節の動きが悪くなったりします。

当院でも透析性方関節症の方がいらっしゃいます。

安静時や睡眠時、透析中にも痛くなるようです。

痛み止め、湿布などで対応しております。

他には、痛みに関しては状態を上げたり、温めると軽減するとも言われています。

長期透析に伴う肩関節症は本当にアミロイドだけなのか?

もちろんそうではありません。

透析患者さんは特にシャント側の首や肩の痛みが多く訴えられます。

やはり週3回透析中に首や肩の筋肉が緊張するのでしょう。

そのため筋肉が硬くなり、血流が悪くなって、伸縮性が悪くなります。

これを繰り返しているととても筋肉がさらに硬くなります。

そういう状態で透析中に血圧が低下するとなおさら痛みが増します。

アミロイド関節症に対しては手術やリクセルやステロイド療法がありますが、適応の問題や副作用の問題があり容易にアプローチできません。

一方で予防に対しては透析液清浄化やオンラインHDFや高性能透析膜なので進歩してきています。

痛みに対してどうアプローチしていくか?

①透析⇒⇒⇒オンラインHDFの導入

②ホットパックなどの温める方法

③夜間のシップ

④肩関節の可能な範囲のストレッチ

⑤トリガーポイント注射(関節をきっかけに周囲の筋肉にも痛みが広がっているため)

⑥漢方薬(痛み止め+温める⇒⇒⇒葛根湯朮附湯、桂枝加朮附湯、桂枝茯苓丸加薏苡仁など)

⑦他の鎮痛剤との組み合わせ

透析関節症に限らず、痛みに関してはもはや通常の痛みどめ(ロキソニンなど)+湿布だけでは改善できないことを知る必要があります。

ちなみに当院通院中の70代男性は桂枝茯苓丸加薏苡仁で随分と安静時と睡眠時の痛みが軽減され、継続を希望されております。

どの方法でもいいので痛みが随分と軽減すれば嬉しいですよね。