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院長の臨床メモcolumn

2019.10.17

特定健診での腎機能結果と心血管病やメタボリックシンドロームとの関係

北九州市の医師会を中心とした先生方が、特定健診の結果を用いて、

腎機能や尿蛋白からの心血管疾患リスク要因やメタボリックシンドロームの断面的検討をされています。

特定健診は日本で約5000万人の方が対象とされる類を見ない健診で、継続的に施行されることにより、ビックデータ化し、合併症などの出現、進行抑制にも用いられています。

この報告では、腎機能障害(GFR60未満)では、高血圧、高血糖、中性脂肪高値、HDLが低いなど、メタボリックシンドロームとの関連は強いと報告されています。

尿蛋白に関しては空腹時血糖やHbA1c高値で有病率が上昇したということです。

生命予後に寄与する心血管病に関しても、腎機能障害があるほうが、リスクが高いと報告されています。

つまり、腎機能障害があるとメタボリックシンドロームを併発しており、将来的に心血管病になりやすい可能性があると思われます。

また、尿蛋白が陽性だと、さらに心血管病発症する可能性が高くなります。

さらに、尿蛋白が陽性だと腎障害の進行リスクも増えます。

まず、気を付けることは、

①尿蛋白1+でも放置しない

②メタボと言われている人は、指摘されている疾患をきちんと管理する(高血圧や糖尿病など)

③腎機能障害はある方は将来的に心血管病のリスクが増えるので、尚更、生活習慣に気を付け、目標値を目指した管理を日々行う