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院長の臨床メモcolumn

2012.05.10

シャント作成困難の方へのテシオカテーテル

・動脈-静脈シャント

・動脈ー動脈シャント

・人工血管

・動脈表在化

何らかの理由で上記のようなブラッドアクセスが困難な場合、皮下の埋め込み型の透析カテーテル(バイオフレックス・テシオカテーテル)を挿入します。

挿入方法は首の静脈から下図のカテーテルを2本挿入して、赤側から脱血を行い、青側に返血します。

http://www.hayashidera.com/products2/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%86%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%80%80%E3%82%AB%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB/

(株:林寺メディール)

結構長いでしょ。

感染予防のために①~②の部分は皮下に埋め込んでおくのです。

2本のカテーテルを挿入することと、カテーテルに細菌侵入予防のカフがついていることが主に良くされる一時的透析カテーテルと違いところです。

カフは上図の①です。

皮下カフがついていて、一本のカテーテルが一時的なものより太いので長く使用できることが可能です。

5年持ったという話も聞きますが、経験はしたことがありません。

今回、カテーテルに沿って皮膚の感染をしたのでテシオカテーテルの入れ替えを行う方がいます。

皮膚だけの感染で血管の中には入っていません。

血管の中に細菌が入ると全身に回るのでえらいこっちゃです。

一時的カテーテルであればとっくにカテーテルを伝って血管の中に細菌が入っていたことでしょう。

ただこのテシオカテーテルは皮下のカフで細菌をブロックしていました。

皮膚感染の場合、皮膚が赤くなるのですが、この皮下カフのところで赤みがストップして、それ以上炎症が広がっていなかったのです。

皮下カフの重要性を認識しながらも感染しているのは事実なので新しいものを入れた方がいいでしょう。

これまで数名テシオカテーテルを挿入しましたが、感染したのは初めてです。

テシオカテーテルが必要になる方はわずかですが、本当に困った場合は助かるブラッドアクセスの一つの方法です。