ABPMといって24時間モニタリングできる血圧測定器があります。
これは日中も寝ている夜間でも血圧が測定できるので、血圧の変動パターンを見るのに非常に有用です。
特に寝ているときは無防備なので何も気づきませんが、体の中は働いている状態です。
その時間でも血圧の管理は非常に重要といわれています。
今回ご紹介する報告は、慢性腎臓病患者における日中の血圧と夜間血圧の管理の重要性についての報告です。
CKD患者さん421人を対象に、ABPMで夜間の血圧と昼間の血圧を測定し、血圧と透析や腎臓病にかかわる死亡のリスクについて検討されています。
CKDステージ1と2: 68 (16.2%), ステージ3:117(27.8%), ステージ4:142 (33.7%), ステージ5: 94 (22.3%) の割合でした。
結果は、日中および夜間のSBP値が10mmHg上昇するごとにリスク(ハザード比)は1.13(1.02-1.26)(P=0.02)および1.15(1.05-1.27)(P<0.01)と日中でも夜間でも血圧が高くなるにつれて透析のリスクが高くなりました。
さらに、日中または夜間の血圧を4つにわけて、一番低い第1四分位値を1.0としたときに、
第2、第3、第4四分位群におけるハザード日は、
昼間SBP:1.25(0.70-2.25)、1.09(0.61-1.94)、1.58(0.88-2.85;P=0.13
夜間SBP:1.09(0.61-1.96)、1.31(0.76-2.28)、1.82(1.00-3.30;P=0.049
夜間では特に血圧が高いほうが透析に至る可能性が大きくなるという結果でした。
結論としては、夜間血圧を管理することは非常に有用であるように思えました。