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院長の臨床メモcolumn

2011.11.05

透析時間

これまで透析時間について何回か書いてきました。

患者さんにどう納得して透析時間を延長していくか?

もう長く透析時間を延長しなかった方で症状の変化もない方にどうやって透析時間の延長を勧めていくか?

自問自答の毎日です。

ベッドサイドで説明してもなかなかうまく伝わらないのと患者さんが透析中という環境では伝わりにくいと思います。

ですから最近は”長時間透析のいいところ”、”血圧下がる方へ”というパワーポイントで作成したスライドを見てもらっています。

長時間透析に関しては日本透析学会の生命リスクと透析時間の表を見て頂いています。

その他にも、貧血、筋肉量、食事摂取量などについても説明をしています。

血圧の下がる方へというのは主に時間当たりの除水量が多い方です。

このような方は透析中全力疾走で走り続けているみたいなものです。

透析は100m競争のようなスピードで走り続けてはいけないのです。

水分摂取量を控えながら、時間当たりの除水量を少なくしなければならない。

そのことを伝えつつ、透析時間の延長の良さも説明をしています。

血液浄化は血液だけではなくて、組織や細胞まで浄化しなければならないですよと。

血液はきれいになっても、短時間透析では細胞まできれいになっていないですよ。

長く透析をすることによってきれいで元気な細胞を維持しましょうと。

その結果、よく食べ、よく動くという人間にとって基本的な喜びを味わうということにつながっていくものを思っています。